先週から2回コースで始まった市民講座
「女性の生き方・男性の生き方」も今日が2回目。前回は、ビデオを2本視聴したことを
「ビデオトーク女性の生き方」と
「世界の女性の生き方☆」でご紹介しましたが、今日は講師の先生を迎えての講話とフリートーキングでした。
講師は、
せんだい男女共同参画財団・理事長の遠藤恵子先生。現職の大学教授でもあり、どんなお話が聞けるのか非常に楽しみにしておりました。
色々なデータを基に、興味深いお話をたくさん聞くことが出来たので皆さんにもご紹介したいと思います。
まず、ショックを受けたのは、
「専業主婦の無意味化」というお言葉。

当事者だけに聞き捨てなりません。
1960年代から70年代の高度経済成長期に、
企業戦士と専業主婦が登場。終身雇用が保証された会社の中で、専業主婦は夫を支えていれば、車、冷蔵庫など手に入る、子供も高卒でなく大学に入れてやれるなど、この
「標準的」家族モデルが普及した時期でした。
ところが、
1980年代からは、経済の成熟停滞期と呼ばれ、全自動洗濯機、電気炊飯器、エアコンなどが普及し家事はどんどんラクになっていきました。昔は、洗濯機には脱水機がなく、いちいちローラーで手回しをして絞らなくてはならないとか、ご飯を炊く時もつきっきりで火加減をみないといけないとか、専業主婦は忙しいものでした。

どんどん家事の負担が軽減されるにつれ、
「家事をやる労働力」という意味の専業主婦はもういらなくなってきた、と先生はおっしゃいます。
インテリアやガーデニングが流行っていますが、他に生きがいがなくなってきているからなのだそうです。今は、子育てが終わってからの女性の生き方をよく考えないといけない時代だとか。まさに、私がもっとも興味ある分野です。
ところで、皆さんは少子化の原因の一つには、
女性の社会進出が進んできたからだ、とお考えでしょうか?
一見関係がありそうに私も思ったのですが、実はこれは違うようです。
女性の社会進出が進んでいる国、例えば
ノルウェー、アメリカなどの方が、日本やイタリアのように進んでいない国より、ずっと
出生率が高いんだそうです。これは驚きです。

例えばノルウェーの場合、まず
育児休業が男女ともにとりやすいそうで、男性も必ずとらないとダメ。しかも、その間
お給料は75%も保証されるとか。更に、子供が生まれると
国から「育児セット」が大きな箱で届くらしいです。中味は、ゆりかごなど新生児に必要なものばかり。かなり好評だとか。
子供を産んで、国から贈り物が届くと、「この子は国で歓迎されてるんだ」と幸せな気持ちになるそうです。
また、おもしろかったのは
家族周期(ファミリーライフサイクル)が大正期と現在ではどう変化したか、です。かなり古い時代との比較なので、グラフを見ただけでその違いは歴然でした。
・
平均寿命が延びた。(男性:61→77歳、女性:61→82歳)
・
末子学卒から、夫婦だけの人生期間が長くなった。(昔は7年、今は25〜30年)
・
出産期間が短くなった。(昔は子供5人も産んで15年かかっていた。今は子供2人で5年)
・
寡婦期間が長くなった。(4年→8年)
・
老親扶養期間が延びた。(親も長生きになり、昔5年→今20年)
こうして具体的に示されると、あらためてその変化を認識させられます。先生いわく、問題は、
「ライフサイクルが変わったのに、意識はそのまま」ということだそうです。なるほど、やはり考え直さないと。
それと、
老後について重要なこと、のアンケート結果も興味深かったです。それによれば、男女ともに、もっとも重要なことは
「健康であること」が半数くらいなのですが、二番目に多いのが
「良好な夫婦関係を保つこと」。ところが、この意識は男性と女性ではずいぶん違いがあるようです。
年代で見ると、30代こそ「良好な夫婦関係を保つこと」が男女ほぼ同数ですが、男性は年が上がるにつれ、その割合が高くなるのに対し、女性はその逆で、どんどんそう思う人が少なくなっています。実に60代では、
男性の4人に1人はそう思うのに、
女性は10人に1人しかそう思っていないとか。

定年後になって妻の方を振り向かれても、妻はそれまでに友人関係を築き、夫を頼りにしても仕方ないと思ってしまっているので、どうしても温度差があるようです。参加していた60代女性も分かる、分かるとおっしゃっていました。
今は、「標準的」家族モデルが揺らいでいる時代です。
DINKS、
別居夫婦など多様な家族が現れています。どの生き方が正解ということはなく、合理的な生き方を選択することが出来るのです。その際、
昔の考えをひきずらないようにしないと、どうしても問題が起こってくると先生は指摘されていました。
4月からは、
「次世代育成支援法」という法律が施行され、500人以上の企業では、育児休業の方針を定めるように義務付けられるのだそうです。これは、努力規定ではなく、
義務規定なので当然守られなければ罰則も科すとか。
職場で育児休業をとりやすくなるのは大歓迎です。これからは、専業主婦のあり方を含め、もっと積極的に「男女の生き方」を考えていい時なのかも知れません。

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